ハードウェア資産の棚卸業務はServiceNowのアプリでやろう

 

PCLCM(PC Lifecycle Management)

PCLCMは、PC(パーソナルコンピュータ)のライフサイクル全体を管理するプロセスを指します。企業がPC資産を効率的かつコスト効果的に運用・管理するために、調達から廃棄までの各段階を体系的に管理します。ServiceNowのハードウェア資産管理(HAM)モジュールは、PCLCMの支援ツールです。

想定業務

PCLCMでは以下の業務を行います。

  1. 調達
  2. キッティング
  3. 運用保守
  4. 廃棄

上記業務をServiceNowのベストプラクティスに整合する形でスイムレーン形式に整理すると以下の流れとなります。
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今回はこの中で運用保守の一部業務にあたる棚卸業務にフォーカスします。

棚卸とは

棚卸は、PCLCMの「運用・保守」フェーズにおける重要な業務で、PC資産の実在性と記録の正確性を確認します。端的に言えば年次や月次で「このPCについて今もあなたが持っていますか?」と確認することで野良PC・野良スマホを減らす運用業務の一環なのですが、棚卸の目的と作業の流れは以下となります。

棚卸の目的

  • 実在性の確認:PCが物理的に存在するか検証。
  • 記録の正確性:資産情報(例:状態、場所、割り当て先)が実態と一致するか確認。
  • 紛失・盗難の検出:登録資産が見つからない場合を特定。
  • コンプライアンス対応:監査や財務報告のための正確な資産データ確保。

棚卸の主要作業

1. 準備:
対象PCのリストを抽出(例:alm_assetからModel Category = Computer)。
例:ServiceNowレポートでState = In StockまたはIn UseのPCをエクスポート。
担当者割り当て、スケジュール設定、従業員への通知。

2. 物理確認:
在庫品(In Stock):倉庫でバーコードスキャン(例:ServiceNowモバイルアプリ)。
非在庫品(In Use/Assigned):従業員の自己申告や現地確認。
例:新入社員のPCをサービスポータルでシリアル番号報告。

3. 情報更新:
確認結果に基づき資産レコードを更新。
例:状態(State:In Stock→In Use)、場所(location)、割り当て先(assigned_to)。
紛失PCをMissingに変更、破損PCをPending Repairに。

4. 検証・レポート:
不一致(例:紛失PC)を特定、調査タスクを生成。
棚卸レポートを作成(例:確認済みPC数、紛失数)。
例:ServiceNowダッシュボードで進捗を可視化。

ServiceNowのAgent アプリ

上記棚卸業務の一部(実物棚卸として資産の実在確認、および所有者情報の更新。更新情報の反映確認)をServiceNowのHAMおよびAgentアプリは標準サポートしています。
具体のデモを以下に記載しております。
イメージをつかんでいただけるとありがたいです。

1. エージェントアプリの準備:
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2. 資産タブ(左から2番目)の資産ルックアップ:
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3. バーコードスキャン:
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4. バーコードから資産タグ取得:
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5. 登録済の資産情報との照合:
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6. 資産情報の詳細と更新アクティビティ:
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7. 資産情報入力画面:
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8. 資産情報の更新(例.持ち主の変更)⇒送信:
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9. 更新のモバイル反映:
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10. 更新の管理画面反映:
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11. Mobileアプリ:
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12. My Assetで割当資産の確認:
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まとめ

上記のように資産の照合から更新までモバイルアプリでネイティブに実現可能です。
実際の業務においては棚卸資産の選定や、資産保持者への通知といったことはServiceNowでも実現可能かと思いますし、日次バッチや月次バッチもスケジュールジョブで実現できます。棚卸の進捗もレポートを作成可能です。
このように標準機能を用いて、典型的な業務を半自動・全自動していくことがServiceNowの強みであり、目的の一つであるハイパーオートメーション(高度自動化)なのだと思います。

上記をご参考に実務に生かしていただけるとさいわいです。

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