Visa x ServiceNowのDemo(紛争ケース管理)
導入
2024年1月12日、ServiceNowとクレジットカード大手のVisaが5年間の共同開発の連携を発表しました。このパートナーシップにより、金融業務におけるServiceNowの業務標準化やフローの開発が推進されることが期待されます。
約1年が経過した現在、今はどこまでできるのかを確認したく思います。実際にシステムを動かしながら、連携の具体的な成果や進捗について詳細を確認していきたいと考えています。ServiceNowを実際に操作することで、専門用語やモデル、フローなどが具体的な形で表現され、理解が深まることを期待しています。
実現価値
金融サービス カード運用 - 紛争管理(Dispute Management)は、銀行がカード紛争を管理するのに役立つ定義済みのワークフローと統合を提供します。カード紛争アプリケーションは以下を提供します。
- プロセス効率: 意思決定ルールの使用によりプロセスを自動化し、手作業の労力を削減し、解決を合理化します。
- 紛争の正確性: アンケートとチャージバックの適格性ルールにより、一貫性と信頼性を確保
- 規制コンプライアンス: 規制要件と業界標準の遵守に役立ちます
- 強化された顧客体験: カード所有者に透明性、明確なコミュニケーション、タイムリーな解決を提供します
- コスト削減: 手作業を減らし、エラーを最小限に抑えることで、コスト削減につながります。
- データインサイト: 傾向を特定し、プロセスを最適化するためのプロセスマイニングとレポートおよび分析
- 価値実現までの時間: すぐに使えるネットワーク統合により、実装が迅速化され、アップグレードも簡単になります。
カード紛争管理とは?
カード紛争管理(Dispute Management)は、クレジットカードやデビットカードを利用した取引に問題が生じた場合に、顧客がその取引に異議を申し立てるプロセスです。以下に簡単に説明します:
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紛争の発生: 顧客がカードを使用した取引に関して、誤請求、未承認取引、品物未着、品質不良などの問題が発生したと感じた場合、顧客は紛争を提起することができます。
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紛争の通知: 顧客はカード発行会社や取引先に紛争を通知し、問題を解決するための手続きを開始します。一般的には、一定期間内に紛争を通知する必要があります。
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調査と対応: カード発行会社や取引先は紛争内容を調査し、適切な対応を行います。取引の詳細や証拠を収集し、紛争が妥当かどうかを判断します。
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解決策の提供: 調査の結果、紛争が認められた場合、顧客に対して返金や誤請求の修正などの解決策が提供されます。
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紛争の解決: カード紛争管理のプロセスを通じて、問題が解決され、顧客と取引先間のトラブルが解消されます。
カード紛争管理は、消費者保護や取引の透明性を確保するための重要なプロセスであり、顧客の信頼を維持するために不可欠な取り組みです。
アプリケーション
ServiceNow CSMの拡張です。業務プロセス
以下のプロセスで進みます。- Initiate
- Investigation
- Charge Back
- Outcome
Demo
実際にデモを見ましょう。Catalogにアクセス
初期セットにいろいろなサービスカタログが存在します。その中でDispute Transactionを選択します。
Disputeケースを作成
ここでは必要情報を記入して、Dispute(クレジットカードの使途のうち、この取引は不明なので、取引取り消しを願い出たい)を申請します。ケースの受付対応
申請された内容は「CSM/FSM Configurable Workspace」で確認します。確認後は個別のケースごとに内容を確認し、原因を調査していきます。
ここはITSMやCSMのインシデント対応・ケース対応と同様です。
調査はPlaybookに定義される手順に従って実施すると素直に解決可能です。
最終的な対応
Dispute業務の最終対応とはケースの解決にはなりますが、具体的には・払い戻しする
・払い戻ししない
の判断となります。払い戻しの判断を行う場合には申請者に内容を伝えます。
払い戻しの内容をケースに書き込んでクローズとします。