ITIL講義まとめ⑤適用時のポイント

学習目標

  • ITIL適用失敗の原因を理解
  • ITILを適用するポイントを理解

失敗事例:最終目的が不明瞭
最終的に何を目的としてITILを導入するのか?という着地点
経営層が「ホットワードだし、とりあえず入れてみっか」というノリで入れた場合。
全体の方向性があって、その方向性を実現するためのツールという条件式

失敗事例:完全コピー適用
自分の環境にカスタマイズする、ということが十全に行われなかった場合
他社の考え方をそのまま採用したパターン

事業方針やビジョンといった、根底の部分の揺らぎがある。
着目に対して、会社の考え方が入り込んでいない。

ITILは自分の組織にフィッティングさせて初めて効果が上がる代物。
他社と自社の違いに着目してフィッティングすること。

失敗事例:成熟度を上げる考え方がない
状態の現状把握←改善策の打ち出しという考え方がない場合
改善という成長戦略の不足
ITILの原型活用ではなく、部分的な適用のみであればあまりあがらない

事例からいえること
ITILの本来の形で適用しなければ、効果は上がらない。
意味合いをきちんと理解したうえで適用していく必要性。

適用ポイント:運用目的の明確化
ビジネス視点でITILを適用する目的を明確化するべし

  1. ビジネス目標の明確化
  2. プロセスの目標の明確化
  3. プロセスの標準化
  4. CSF,KPIの設定
  5. 現場レベルでの明確化
   ・向かっていく方向の明確化
   ・現場の活性化
運用の活動目標がビジネス戦略から落とし込まれ、明確なため、
効率的なITサービス運用が期待できる。

適用ポイント:SmallStart,QuickWin
小さくはじめ、適用成果を早期に体感し、徐々に適用範囲を広げるべし

ITIL適用推進者には、適用に対する期待と目的を意識し、
モチベーションを維持して活動することができる。

適用ポイント:組織に合わせてカスタマイズ
自組織にあったITサービスを確立し、成熟度を向上させている
自組織の問題、課題、現状、目標、サイクルは個別であり、そこを明確化の必要

適用ポイント:改善・成長する仕組みづくり
運用開始前に改善・成長する仕組みを設定し、改善活動定着まで監視すべし

まず最初にストーリーを作成しておく必要がある。
チェックの指標を判断基準として考えておく。
そして初めて、個別のDoを評価できる。

適切なSLAやKPIの設定、測定や分析によるナレッジの蓄積・活用・状況改善の活動定着化を通じて、ビジネス要件とITサービスが最適化されることが期待できる。

仕組みとメンタルによっての改善様式

適用ポイント:4Pを意識する
特にPeopleにおいて目的意識の啓もうと育成に着目すべし
適切なプロセスやツールを適用しても、それを実行するのは人。
しかし、適用にあたっての不安や不信感が推進力を阻む。

まとめ

  • ITILを適用すれば自動的に成果が出るわけではない
  • 組織として「ありたい姿」をトップダウンでコミットし、利害関係者で共有する
  • まずは効果がすぐ体感できる範囲での適用からスタートする
  • 現状を分析して、目標達成に向けてITILを参考に適切なプロセスを確立する
  • ありたい姿に向けて強い意識をもって継続的・段階的に改善を積み重ねる
  • 運用開始をゴールとはしない

最後に
@ITサービスの運用者:
運用管理からサービスマネジメントへ意識改革していきましょう
@経営層:
運用現場の活動を理解し、組織全体で支援していきましょう

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