弁理士短答式R7
◆形式面
形式:四択問題問題数:60問
問題分類:
特許・実用新案:20問
意匠:10問
商標:10問
条約:10問
著作権:10問
問題の作成根拠:
特許・実用新案:特許法、実用新案法
意匠:意匠法
商標:商標法
条約:PCT、パリ条約、マドリード協定、TRIPS協定
著作権:著作権法、不正競争防止法
◆参考解説
https://www.youtube.com/watch?v=KQdOQT0Cox4
◆問題文
【特許・実用新案】1
問題: 特許法の総則に関する次の選択肢のうち、正しいものはどれか。- 委任による代理人が特別の授権を得ずに拒絶査定不服審判の請求を行った場合、審判長は当該手続について補正を命じることができない。
- 特許庁長官は、手続をする者の代理人が手続に適当でないと認めても、代理人が在外者の特許管理人である場合、改任を命じることができない。
- 共同出願人である甲、乙、丙のうち、甲と乙を代表者として特許庁に届け出た場合でも、丙は単独で明細書の補正を行うことができる。
- 特許異議申立書を日本郵便株式会社以外の民間事業者の提供する信書便物で提出した場合、通信日付印により表示された日時に特許庁に到達したとみなされる場合がある。
- 特許原簿に、通常実施権および仮通常実施権に関する事項が登録される場合がある。
各選択肢の検討と根拠1.誤り
内容: 代理人が特別の授権を得ずに拒絶査定不服審判の請求を行った場合、審判長は補正を命じられない。
根拠: 特許法第9条第1項により、拒絶査定不服審判の請求には特別な授権が必要ですが、特許法第133条第2項に基づき、手続に補正可能な不備がある場合、審判長は補正を命じることができます。特別の授権の欠如は補正可能な不備に該当するため、補正命令が可能であり、この選択肢は誤りです。
内容: 特許庁長官は、代理人が手続に適当でないと認めても、在外者の特許管理人である場合、改任を命じられない。
根拠: 特許法第13条第2項により、特許庁長官は代理人が手続に適当でないと認めた場合、改任を命じることができます。これは在外者の特許管理人にも適用されます(特許法第8条第2項)。例外はなく、改任を命じられるため、この選択肢は誤りです。
3.誤り
内容: 共同出願人で代表者を定めた場合でも、丙は単独で明細書の補正ができる。
根拠: 特許法第38条により、共同出願で代表者を定めた場合、手続は代表者または全員で行う必要があります。丙が単独で明細書の補正を行うことはできない(特許法第14条)。よって、この選択肢は誤りです。
4.正しい
内容: 特許異議申立書を日本郵便以外の民間事業者の信書便物で提出した場合、通信日付印により提出日がみなされる場合がある。
根拠: 特許法第19条は、日本郵便の通信日付印を提出日とみなすと規定していますが、民間事業者の信書便物についても、特許法施行規則第2条により、信書便事業者の通信日付印が同様に扱われる場合があります(民間事業者が信書便法に基づく認可を受けている場合)。よって、この選択肢は正しいです。
5.誤り
内容: 特許原簿に通常実施権および仮通常実施権に関する事項が登録される場合がある。
根拠: 通常実施権は、専用実施権と異なり、登録が効力発生要件とはされていませんので、当事者間で契約をするだけで設定することができます。27条、184条、98条
(特許原簿への登録)第二十七条 次に掲げる事項は、特許庁に備える特許原簿に登録する。一 特許権の設定、存続期間の延長、移転、信託による変更、消滅、回復又は処分の制限二 専用実施権の設定、保存、移転、変更、消滅又は処分の制限三 特許権又は専用実施権を目的とする質権の設定、移転、変更、消滅又は処分の制限四 仮専用実施権の設定、保存、移転、変更、消滅又は処分の制限2 特許原簿は、その全部又は一部を磁気テープ(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録して置くことができる物を含む。以下同じ。)をもつて調製することができる。3 この法律に規定するもののほか、登録に関して必要な事項は、政令で定める。
(特許原簿への登録の特例)第百八十四条の十二の二 日本語特許出願については第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、外国語特許出願については第百八十四条の四第一項又は第四項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後であつて国内処理基準時を経過した後でなければ、第二十七条第一項第四号の規定にかかわらず、仮専用実施権の登録を受けることができない。
(登録の効果)第九十八条 次に掲げる事項は、登録しなければ、その効力を生じない。一 特許権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、信託による変更、放棄による消滅又は処分の制限二 専用実施権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は特許権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限三 特許権又は専用実施権を目的とする質権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限2 前項各号の相続その他の一般承継の場合は、遅滞なく、その旨を特許庁長官に届け出なければならない。
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内容: 代理人が特別の授権を得ずに拒絶査定不服審判の請求を行った場合、審判長は補正を命じられない。
根拠: 特許法第9条第1項により、拒絶査定不服審判の請求には特別な授権が必要ですが、特許法第133条第2項に基づき、手続に補正可能な不備がある場合、審判長は補正を命じることができます。特別の授権の欠如は補正可能な不備に該当するため、補正命令が可能であり、この選択肢は誤りです。
(代理権の範囲)
第九条 日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有する者であつて手続をするものの委任による代理人は、特別の授権を得なければ、特許出願の変更、放棄若しくは取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請若しくは申立ての取下げ、第四十一条第一項の優先権の主張若しくはその取下げ、第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願、出願公開の請求、拒絶査定不服審判の請求、特許権の放棄又は復代理人の選任をすることができない。
2.誤り(方式に違反した場合の決定による却下)
第百三十三条 審判長は、請求書が第百三十一条の規定に違反しているときは、請求人に対し、相当の期間を指定して、請求書について補正をすべきことを命じなければならない。
2 審判長は、前項に規定する場合を除き、審判事件に係る手続について、次の各号の一に該当するときは、相当の期間を指定して、その補正をすべきことを命ずることができる。
一 手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。
二 手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
三 手続について第百九十五条第一項又は第二項の規定により納付すべき手数料を納付しないとき。
3 審判長は、前二項の規定により、審判事件に係る手続について、その補正をすべきことを命じた者がこれらの規定により指定した期間内にその補正をしないとき、又はその補正が第百三十一条の二第一項の規定に違反するときは、決定をもつてその手続を却下することができる。
4 前項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。
内容: 特許庁長官は、代理人が手続に適当でないと認めても、在外者の特許管理人である場合、改任を命じられない。
根拠: 特許法第13条第2項により、特許庁長官は代理人が手続に適当でないと認めた場合、改任を命じることができます。これは在外者の特許管理人にも適用されます(特許法第8条第2項)。例外はなく、改任を命じられるため、この選択肢は誤りです。
(在外者の特許管理人)
第八条 日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない者(以下「在外者」という。)は、政令で定める場合を除き、その者の特許に関する代理人であつて日本国内に住所又は居所を有するもの(以下「特許管理人」という。)によらなければ、手続をし、又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服として訴えを提起することができない。
2 特許管理人は、一切の手続及びこの法律又はこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服とする訴訟について本人を代理する。ただし、在外者が特許管理人の代理権の範囲を制限したときは、この限りでない。
(代理人の改任等)
第十三条 特許庁長官又は審判長は、手続をする者がその手続をするのに適当でないと認めるときは、代理人により手続をすべきことを命ずることができる。
2 特許庁長官又は審判長は、手続をする者の代理人がその手続をするのに適当でないと認めるときは、その改任を命ずることができる。
3 特許庁長官又は審判長は、前二項の場合において、弁理士を代理人とすべきことを命ずることができる。
4 特許庁長官又は審判長は、第一項又は第二項の規定による命令をした後に第一項の手続をする者又は第二項の代理人が特許庁に対してした手続を却下することができる。
3.誤り
内容: 共同出願人で代表者を定めた場合でも、丙は単独で明細書の補正ができる。
根拠: 特許法第38条により、共同出願で代表者を定めた場合、手続は代表者または全員で行う必要があります。丙が単独で明細書の補正を行うことはできない(特許法第14条)。よって、この選択肢は誤りです。
(共同出願)
第三十八条 特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ、特許出願をすることができない。
(複数当事者の相互代表)
第十四条 二人以上が共同して手続をしたときは、特許出願の変更、放棄及び取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請又は申立ての取下げ、第四十一条第一項の優先権の主張及びその取下げ、出願公開の請求並びに拒絶査定不服審判の請求以外の手続については、各人が全員を代表するものとする。ただし、代表者を定めて特許庁に届け出たときは、この限りでない。
4.正しい
内容: 特許異議申立書を日本郵便以外の民間事業者の信書便物で提出した場合、通信日付印により提出日がみなされる場合がある。
根拠: 特許法第19条は、日本郵便の通信日付印を提出日とみなすと規定していますが、民間事業者の信書便物についても、特許法施行規則第2条により、信書便事業者の通信日付印が同様に扱われる場合があります(民間事業者が信書便法に基づく認可を受けている場合)。よって、この選択肢は正しいです。
(願書等の提出の効力発生時期)
第十九条 願書又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により特許庁に提出する書類その他の物件であつてその提出の期間が定められているものを郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号。以下この条において「信書便法」という。)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便(以下「信書便」という。)の役務であつて経済産業省令で定めるものにより提出した場合において、その願書又は物件を日本郵便株式会社の営業所(郵便の業務を行うものに限る。)に差し出した日時を郵便物の受領証により証明したときはその日時に、その郵便物又は信書便法第二条第三項に規定する信書便物(以下この条において「信書便物」という。)の通信日付印により表示された日時が明瞭であるときはその日時に、その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日時のうち日のみが明瞭であつて時刻が明瞭でないときは表示された日の午後十二時に、その願書又は物件は、特許庁に到達したものとみなす。
(申立ての方式等)
第百十五条 特許異議の申立てをする者は、次に掲げる事項を記載した特許異議申立書を特許庁長官に提出しなければならない。
一 特許異議申立人及び代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 特許異議の申立てに係る特許の表示
三 特許異議の申立ての理由及び必要な証拠の表示
2 前項の規定により提出した特許異議申立書の補正は、その要旨を変更するものであつてはならない。ただし、第百十三条に規定する期間が経過する時又は第百二十条の五第一項の規定による通知がある時のいずれか早い時までにした前項第三号に掲げる事項についてする補正は、この限りでない。
3 審判長は、特許異議申立書の副本を特許権者に送付しなければならない。
4 第百二十三条第四項の規定は、特許異議の申立てがあつた場合に準用する。
5.誤り
内容: 特許原簿に通常実施権および仮通常実施権に関する事項が登録される場合がある。
根拠: 通常実施権は、専用実施権と異なり、登録が効力発生要件とはされていませんので、当事者間で契約をするだけで設定することができます。27条、184条、98条
(特許原簿への登録)第二十七条 次に掲げる事項は、特許庁に備える特許原簿に登録する。一 特許権の設定、存続期間の延長、移転、信託による変更、消滅、回復又は処分の制限二 専用実施権の設定、保存、移転、変更、消滅又は処分の制限三 特許権又は専用実施権を目的とする質権の設定、移転、変更、消滅又は処分の制限四 仮専用実施権の設定、保存、移転、変更、消滅又は処分の制限2 特許原簿は、その全部又は一部を磁気テープ(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録して置くことができる物を含む。以下同じ。)をもつて調製することができる。3 この法律に規定するもののほか、登録に関して必要な事項は、政令で定める。
(特許原簿への登録の特例)第百八十四条の十二の二 日本語特許出願については第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、外国語特許出願については第百八十四条の四第一項又は第四項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後であつて国内処理基準時を経過した後でなければ、第二十七条第一項第四号の規定にかかわらず、仮専用実施権の登録を受けることができない。
(登録の効果)第九十八条 次に掲げる事項は、登録しなければ、その効力を生じない。一 特許権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、信託による変更、放棄による消滅又は処分の制限二 専用実施権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は特許権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限三 特許権又は専用実施権を目的とする質権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限2 前項各号の相続その他の一般承継の場合は、遅滞なく、その旨を特許庁長官に届け出なければならない。
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【特許・実用新案】2問題: 特許要件および特許出願に関する次の選択肢のうち、正しいものは何個か。ただし、特許出願は外国語書面出願、国際出願、分割出願、変更出願、実用新案登録に基づく出願ではなく、取下げ、放棄、却下されておらず、査定・審決が確定しておらず、補正や優先権主張がないものとする。優先権主張は取り下げられていないものとする。
内容: 発明イを極めて少数の者が知る場合、秘密保持義務の有無にかかわらず、公然知られた発明に該当しない。
根拠: 特許法第29条第1項第1号の「公然知られた発明」は、不特定多数が知り得る状態を指します。極めて少数の者が知る場合でも、秘密保持義務が無ければ公然性があると解されます(特許庁審査基準)。よって、この選択肢は誤りです。
(特許の要件)第二十九条 産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。一 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明二 特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明三 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明
(ロ) ×
内容: 新規性喪失の例外の証明書を、理由がなくなった日から2月以内かつ出願日から1年4月以内に提出できる。
根拠: 特許法第30条第4項により、在外者は証明書は出願日から2か月以内に提出が必要です。遅れた場合、特許法施行規則第2条の3により、遅延理由書を添えて出願日から30日+6か月以内に提出可能です。よって、この選択肢は誤りです。
(発明の新規性の喪失の例外)第三十条 特許を受ける権利を有する者の意に反して第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明は、その該当するに至つた日から一年以内にその者がした特許出願に係る発明についての同項及び同条第二項の規定の適用については、同条第一項各号のいずれかに該当するに至らなかつたものとみなす。2 特許を受ける権利を有する者の行為に起因して第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明(発明、実用新案、意匠又は商標に関する公報に掲載されたことにより同項各号のいずれかに該当するに至つたものを除く。)も、その該当するに至つた日から一年以内にその者がした特許出願に係る発明についての同項及び同条第二項の規定の適用については、前項と同様とする。3 前項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面を特許出願と同時に特許庁長官に提出し、かつ、第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明が前項の規定の適用を受けることができる発明であることを証明する書面(次項において「証明書」という。)を特許出願の日から三十日以内に特許庁長官に提出しなければならない。4 証明書を提出する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内に証明書を提出することができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその証明書を特許庁長官に提出することができる。
(ハ) 〇
内容: 外国語書面出願で外国語書面の翻訳文を提出したが、要約書面の翻訳文を提出しなかった場合、出願は取り下げとみなされない。
根拠: 特許法第36条の2第3-5項により、外国語書面の翻訳文を期間内に提出した場合、出願は取り下げとみなされません。
第三十六条の二 特許を受けようとする者は、前条第二項の明細書、特許請求の範囲、必要な図面及び要約書に代えて、同条第三項から第六項までの規定により明細書又は特許請求の範囲に記載すべきものとされる事項を経済産業省令で定める外国語で記載した書面及び必要な図面でこれに含まれる説明をその外国語で記載したもの(以下「外国語書面」という。)並びに同条第七項の規定により要約書に記載すべきものとされる事項をその外国語で記載した書面(以下「外国語要約書面」という。)を願書に添付することができる。2 前項の規定により外国語書面及び外国語要約書面を願書に添付した特許出願(以下「外国語書面出願」という。)の出願人は、その特許出願の日(第四十一条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願にあつては、同項に規定する先の出願の日、第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)又は第四十三条の三第一項若しくは第二項の規定による優先権の主張を伴う特許出願にあつては、最初の出願若しくはパリ条約(千九百年十二月十四日にブラッセルで、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にヘーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、千九百五十八年十月三十一日にリスボンで及び千九百六十七年七月十四日にストックホルムで改正された工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約をいう。以下同じ。)第四条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願又は同条A(2)の規定により最初の出願と認められた出願の日、第四十一条第一項、第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)又は第四十三条の三第一項若しくは第二項の規定による二以上の優先権の主張を伴う特許出願にあつては、当該優先権の主張の基礎とした出願の日のうち最先の日。第六十四条第一項において同じ。)から一年四月以内に外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。ただし、当該外国語書面出願が第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願又は第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願である場合にあつては、本文の期間の経過後であつても、その特許出願の分割、出願の変更又は実用新案登録に基づく特許出願の日から二月以内に限り、外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文を提出することができる。3 特許庁長官は、前項本文に規定する期間(同項ただし書の規定により外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文を提出することができるときは、同項ただし書に規定する期間。以下この条において同じ。)内に同項に規定する外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文の提出がなかつたときは、外国語書面出願の出願人に対し、その旨を通知しなければならない。4 前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、第二項に規定する外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文を特許庁長官に提出することができる。5 前項に規定する期間内に外国語書面(図面を除く。)の第二項に規定する翻訳文の提出がなかつたときは、その特許出願は、同項本文に規定する期間の経過の時に取り下げられたものとみなす。6 前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、第二項に規定する外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文を特許庁長官に提出することができる。ただし、故意に、第四項に規定する期間内に前項に規定する翻訳文を提出しなかつたと認められる場合は、この限りでない。7 第四項又は前項の規定により提出された翻訳文は、第二項本文に規定する期間が満了する時に特許庁長官に提出されたものとみなす。8 第二項に規定する外国語書面の翻訳文は前条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書、特許請求の範囲及び図面と、第二項に規定する外国語要約書面の翻訳文は同条第二項の規定により願書に添付して提出した要約書とみなす。
(ニ) ×
内容: 願書に氏名・名称が不明確で補完した場合、願書提出日が出願日と認定される。
根拠: 特許法第38条の4により、願書に不備があっても補完すれば、出願は受理されます。しかし、その手続補完書の提出日をもって出願日と認定されます。よって、この選択肢は誤りです。
(特許出願の日の認定)第三十八条の二 特許庁長官は、特許出願が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、特許出願に係る願書を提出した日を特許出願の日として認定しなければならない。一 特許を受けようとする旨の表示が明確でないと認められるとき。二 特許出願人の氏名若しくは名称の記載がなく、又はその記載が特許出願人を特定できる程度に明確でないと認められるとき。三 明細書(外国語書面出願にあつては、明細書に記載すべきものとされる事項を第三十六条の二第一項の経済産業省令で定める外国語で記載した書面。以下この条において同じ。)が添付されていないとき(次条第一項に規定する方法により特許出願をするときを除く。)。2 特許庁長官は、特許出願が前項各号のいずれかに該当するときは、特許を受けようとする者に対し、特許出願について補完をすることができる旨を通知しなければならない。3 前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、その補完をすることができる。4 前項の規定により補完をするには、経済産業省令で定めるところにより、手続の補完に係る書面(以下「手続補完書」という。)を提出しなければならない。ただし、同項の規定により明細書について補完をする場合には、手続補完書の提出と同時に明細書を提出しなければならない。5 第三項の規定により明細書について補完をする場合には、手続補完書の提出と同時に第三十六条第二項の必要な図面(外国語書面出願にあつては、必要な図面でこれに含まれる説明を第三十六条の二第一項の経済産業省令で定める外国語で記載したもの。以下この条において同じ。)を提出することができる。6 第二項の規定による通知を受けた者が第三項に規定する期間内にその補完をしたときは、その特許出願は、手続補完書を提出した時にしたものとみなす。この場合において、特許庁長官は、手続補完書を提出した日を特許出願の日として認定するものとする。7 第四項ただし書の規定により提出された明細書は願書に添付して提出したものと、第五項の規定により提出された図面は願書に添付して提出したものとみなす。8 特許庁長官は、第二項の規定による通知を受けた者が第三項に規定する期間内にその補完をしないときは、その特許出願を却下することができる。9 特許を受けようとする者が第二項の規定による通知を受ける前に、その通知を受けた場合に執るべき手続を執つたときは、経済産業省令で定める場合を除き、当該手続は、その通知を受けたことにより執つた手続とみなす。
(ホ) 〇
内容: 優先権主張を伴う出願で明細書を補完した場合、補完内容によっては願書提出日が出願日と認定される。
根拠: 特許法第38条の4第2項により、明細書の補完は可能です。そして特許法第38条の4第4項により、優先権主張を伴う場合、補完提出日が出願日とみなされる場合があります。
(明細書又は図面の一部の記載が欠けている場合の通知等)第三十八条の四 特許庁長官は、特許出願の日の認定に際して、願書に添付されている明細書又は図面(外国語書面出願にあつては、明細書に記載すべきものとされる事項を第三十六条の二第一項の経済産業省令で定める外国語で記載した書面又は必要な図面でこれに含まれる説明を同項の経済産業省令で定める外国語で記載したもの。以下この条において同じ。)について、その一部の記載が欠けていることを発見したときは、その旨を特許出願人に通知しなければならない。2 前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、明細書又は図面について補完をすることができる。3 前項の規定によりその補完をするには、経済産業省令で定めるところにより、明細書又は図面の補完に係る書面(以下この条及び第六十七条第三項第六号において「明細書等補完書」という。)を提出しなければならない。4 第一項の規定による通知を受けた者が第二項に規定する期間内にその補完をしたときは、その特許出願は、第三十八条の二第一項又は第六項の規定にかかわらず、明細書等補完書を提出した時にしたものとみなす。ただし、その補完が第四十一条第一項の規定による優先権の主張又は第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四十三条の三第一項若しくは第二項の規定による優先権の主張を伴う特許出願に係るものであつて、かつ、前項の規定により提出した明細書等補完書に記載した内容が経済産業省令で定める範囲内にあるときは、この限りでない。---
- (イ) 特許出願に係る発明イについて、出願前に複数の者がその内容を知っている場合、知っている者が極めて少数であれば、秘密保持義務の有無にかかわらず、特許法第29条第1項第1号の「公然知られた発明」に該当しない。
- (ロ) 在外者甲が新規性喪失の例外の適用を受けようとし、出願と同時に書面を提出したが、証明書を30日以内に提出できなかった場合、理由がなくなった日から2月以内かつ出願日から1年4月以内に提出できる。
- (ハ) 外国語書面出願で、外国語書面の翻訳文を期間内に提出したが、外国語要約書面の翻訳文を提出しなかった場合、出願は取り下げとみなされない。
- (ニ) 願書に特許出願人の氏名・名称が不明確で補完の通知を受け、期間内に補完した場合、願書提出日が出願日と認定される。
- (ホ) 優先権主張を伴う出願で、明細書の一部が欠けていたため補完書を提出した場合、補完内容によっては願書提出日が出願日と認定される。
内容: 発明イを極めて少数の者が知る場合、秘密保持義務の有無にかかわらず、公然知られた発明に該当しない。
根拠: 特許法第29条第1項第1号の「公然知られた発明」は、不特定多数が知り得る状態を指します。極めて少数の者が知る場合でも、秘密保持義務が無ければ公然性があると解されます(特許庁審査基準)。よって、この選択肢は誤りです。
(特許の要件)第二十九条 産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。一 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明二 特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明三 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明
(ロ) ×
内容: 新規性喪失の例外の証明書を、理由がなくなった日から2月以内かつ出願日から1年4月以内に提出できる。
根拠: 特許法第30条第4項により、在外者は証明書は出願日から2か月以内に提出が必要です。遅れた場合、特許法施行規則第2条の3により、遅延理由書を添えて出願日から30日+6か月以内に提出可能です。よって、この選択肢は誤りです。
(発明の新規性の喪失の例外)第三十条 特許を受ける権利を有する者の意に反して第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明は、その該当するに至つた日から一年以内にその者がした特許出願に係る発明についての同項及び同条第二項の規定の適用については、同条第一項各号のいずれかに該当するに至らなかつたものとみなす。2 特許を受ける権利を有する者の行為に起因して第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明(発明、実用新案、意匠又は商標に関する公報に掲載されたことにより同項各号のいずれかに該当するに至つたものを除く。)も、その該当するに至つた日から一年以内にその者がした特許出願に係る発明についての同項及び同条第二項の規定の適用については、前項と同様とする。3 前項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面を特許出願と同時に特許庁長官に提出し、かつ、第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明が前項の規定の適用を受けることができる発明であることを証明する書面(次項において「証明書」という。)を特許出願の日から三十日以内に特許庁長官に提出しなければならない。4 証明書を提出する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内に証明書を提出することができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその証明書を特許庁長官に提出することができる。
(ハ) 〇
内容: 外国語書面出願で外国語書面の翻訳文を提出したが、要約書面の翻訳文を提出しなかった場合、出願は取り下げとみなされない。
根拠: 特許法第36条の2第3-5項により、外国語書面の翻訳文を期間内に提出した場合、出願は取り下げとみなされません。
第三十六条の二 特許を受けようとする者は、前条第二項の明細書、特許請求の範囲、必要な図面及び要約書に代えて、同条第三項から第六項までの規定により明細書又は特許請求の範囲に記載すべきものとされる事項を経済産業省令で定める外国語で記載した書面及び必要な図面でこれに含まれる説明をその外国語で記載したもの(以下「外国語書面」という。)並びに同条第七項の規定により要約書に記載すべきものとされる事項をその外国語で記載した書面(以下「外国語要約書面」という。)を願書に添付することができる。2 前項の規定により外国語書面及び外国語要約書面を願書に添付した特許出願(以下「外国語書面出願」という。)の出願人は、その特許出願の日(第四十一条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願にあつては、同項に規定する先の出願の日、第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)又は第四十三条の三第一項若しくは第二項の規定による優先権の主張を伴う特許出願にあつては、最初の出願若しくはパリ条約(千九百年十二月十四日にブラッセルで、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にヘーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、千九百五十八年十月三十一日にリスボンで及び千九百六十七年七月十四日にストックホルムで改正された工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約をいう。以下同じ。)第四条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願又は同条A(2)の規定により最初の出願と認められた出願の日、第四十一条第一項、第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)又は第四十三条の三第一項若しくは第二項の規定による二以上の優先権の主張を伴う特許出願にあつては、当該優先権の主張の基礎とした出願の日のうち最先の日。第六十四条第一項において同じ。)から一年四月以内に外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。ただし、当該外国語書面出願が第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願又は第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願である場合にあつては、本文の期間の経過後であつても、その特許出願の分割、出願の変更又は実用新案登録に基づく特許出願の日から二月以内に限り、外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文を提出することができる。3 特許庁長官は、前項本文に規定する期間(同項ただし書の規定により外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文を提出することができるときは、同項ただし書に規定する期間。以下この条において同じ。)内に同項に規定する外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文の提出がなかつたときは、外国語書面出願の出願人に対し、その旨を通知しなければならない。4 前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、第二項に規定する外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文を特許庁長官に提出することができる。5 前項に規定する期間内に外国語書面(図面を除く。)の第二項に規定する翻訳文の提出がなかつたときは、その特許出願は、同項本文に規定する期間の経過の時に取り下げられたものとみなす。6 前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、第二項に規定する外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文を特許庁長官に提出することができる。ただし、故意に、第四項に規定する期間内に前項に規定する翻訳文を提出しなかつたと認められる場合は、この限りでない。7 第四項又は前項の規定により提出された翻訳文は、第二項本文に規定する期間が満了する時に特許庁長官に提出されたものとみなす。8 第二項に規定する外国語書面の翻訳文は前条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書、特許請求の範囲及び図面と、第二項に規定する外国語要約書面の翻訳文は同条第二項の規定により願書に添付して提出した要約書とみなす。
(ニ) ×
内容: 願書に氏名・名称が不明確で補完した場合、願書提出日が出願日と認定される。
根拠: 特許法第38条の4により、願書に不備があっても補完すれば、出願は受理されます。しかし、その手続補完書の提出日をもって出願日と認定されます。よって、この選択肢は誤りです。
(特許出願の日の認定)第三十八条の二 特許庁長官は、特許出願が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、特許出願に係る願書を提出した日を特許出願の日として認定しなければならない。一 特許を受けようとする旨の表示が明確でないと認められるとき。二 特許出願人の氏名若しくは名称の記載がなく、又はその記載が特許出願人を特定できる程度に明確でないと認められるとき。三 明細書(外国語書面出願にあつては、明細書に記載すべきものとされる事項を第三十六条の二第一項の経済産業省令で定める外国語で記載した書面。以下この条において同じ。)が添付されていないとき(次条第一項に規定する方法により特許出願をするときを除く。)。2 特許庁長官は、特許出願が前項各号のいずれかに該当するときは、特許を受けようとする者に対し、特許出願について補完をすることができる旨を通知しなければならない。3 前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、その補完をすることができる。4 前項の規定により補完をするには、経済産業省令で定めるところにより、手続の補完に係る書面(以下「手続補完書」という。)を提出しなければならない。ただし、同項の規定により明細書について補完をする場合には、手続補完書の提出と同時に明細書を提出しなければならない。5 第三項の規定により明細書について補完をする場合には、手続補完書の提出と同時に第三十六条第二項の必要な図面(外国語書面出願にあつては、必要な図面でこれに含まれる説明を第三十六条の二第一項の経済産業省令で定める外国語で記載したもの。以下この条において同じ。)を提出することができる。6 第二項の規定による通知を受けた者が第三項に規定する期間内にその補完をしたときは、その特許出願は、手続補完書を提出した時にしたものとみなす。この場合において、特許庁長官は、手続補完書を提出した日を特許出願の日として認定するものとする。7 第四項ただし書の規定により提出された明細書は願書に添付して提出したものと、第五項の規定により提出された図面は願書に添付して提出したものとみなす。8 特許庁長官は、第二項の規定による通知を受けた者が第三項に規定する期間内にその補完をしないときは、その特許出願を却下することができる。9 特許を受けようとする者が第二項の規定による通知を受ける前に、その通知を受けた場合に執るべき手続を執つたときは、経済産業省令で定める場合を除き、当該手続は、その通知を受けたことにより執つた手続とみなす。
(ホ) 〇
内容: 優先権主張を伴う出願で明細書を補完した場合、補完内容によっては願書提出日が出願日と認定される。
根拠: 特許法第38条の4第2項により、明細書の補完は可能です。そして特許法第38条の4第4項により、優先権主張を伴う場合、補完提出日が出願日とみなされる場合があります。
(明細書又は図面の一部の記載が欠けている場合の通知等)第三十八条の四 特許庁長官は、特許出願の日の認定に際して、願書に添付されている明細書又は図面(外国語書面出願にあつては、明細書に記載すべきものとされる事項を第三十六条の二第一項の経済産業省令で定める外国語で記載した書面又は必要な図面でこれに含まれる説明を同項の経済産業省令で定める外国語で記載したもの。以下この条において同じ。)について、その一部の記載が欠けていることを発見したときは、その旨を特許出願人に通知しなければならない。2 前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、明細書又は図面について補完をすることができる。3 前項の規定によりその補完をするには、経済産業省令で定めるところにより、明細書又は図面の補完に係る書面(以下この条及び第六十七条第三項第六号において「明細書等補完書」という。)を提出しなければならない。4 第一項の規定による通知を受けた者が第二項に規定する期間内にその補完をしたときは、その特許出願は、第三十八条の二第一項又は第六項の規定にかかわらず、明細書等補完書を提出した時にしたものとみなす。ただし、その補完が第四十一条第一項の規定による優先権の主張又は第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四十三条の三第一項若しくは第二項の規定による優先権の主張を伴う特許出願に係るものであつて、かつ、前項の規定により提出した明細書等補完書に記載した内容が経済産業省令で定める範囲内にあるときは、この限りでない。---
【特許・実用新案】3問題: 特許法第29条の2(拡大先願)および第39条(先願)に関する次の選択肢のうち、誤っているものはどれか。ただし、特許出願は外国語書面出願、国際出願、分割出願、変更出願、参照主張出願、実用新案登録に基づく出願ではなく、取下げ、放棄、却下されておらず、出願公開・審査請求がされ、査定・審決・登録がなく、補正や優先権主張がないものとする。実用新案登録出願も同様。
第二十九条の二 特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録出願であつて当該特許出願後に第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行若しくは出願公開又は実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行がされたものの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)と同一であるときは、その発明については、前条第一項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。
(先願)第三十九条 同一の発明について異なつた日に二以上の特許出願があつたときは、最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。2 同一の発明について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた一の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも、その発明について特許を受けることができない。3 特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合において、その特許出願及び実用新案登録出願が異なつた日にされたものであるときは、特許出願人は、実用新案登録出願人より先に出願をした場合にのみその発明について特許を受けることができる。4 特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合(第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願(第四十四条第二項(第四十六条第六項において準用する場合を含む。)の規定により当該特許出願の時にしたものとみなされるものを含む。)に係る発明とその実用新案登録に係る考案とが同一である場合を除く。)において、その特許出願及び実用新案登録出願が同日にされたものであるときは、出願人の協議により定めた一の出願人のみが特許又は実用新案登録を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、特許出願人は、その発明について特許を受けることができない。5 特許出願若しくは実用新案登録出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、又は特許出願について拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したときは、その特許出願又は実用新案登録出願は、第一項から前項までの規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。ただし、その特許出願について第二項後段又は前項後段の規定に該当することにより拒絶をすべき旨の査定又は審決が確定したときは、この限りでない。6 特許庁長官は、第二項又は第四項の場合は、相当の期間を指定して、第二項又は第四項の協議をしてその結果を届け出るべき旨を出願人に命じなければならない。7 特許庁長官は、前項の規定により指定した期間内に同項の規定による届出がないときは、第二項又は第四項の協議が成立しなかつたものとみなすことができる。
各選択肢の検討と根拠
- 甲が発明イ・ロを記載した出願A(特許請求の範囲:イ、明細書:イ・ロ)を行い、分割出願B(特許請求の範囲:ロ、明細書:イ・ロ)を変更して実用新案出願C(登録請求の範囲:考案イ)とした。出願Aで審査請求後、特許庁長官は特許法第39条第6項に基づき協議命令を出す。
- 甲が外国語書面出願A(発明イ・ロ、翻訳文は発明イのみ)を行い、公開前に乙が発明ロで出願B(特許請求の範囲:ロ)をした。出願A公開後、出願Bは出願Aを拡大先願とする拒絶理由を有する。
- 甲が実用新案出願A(登録請求の範囲:考案ロ、明細書:イ・ロ)を行い、公開前に乙が発明イで出願B(特許請求の範囲:イ)をした。出願Aの公報発行後、出願Bは出願Aを拡大先願とする拒絶理由を有する。
- 甲が発明イで出願A、乙が発明イで出願Bを同日に行い、審査請求がない場合、特許庁長官は協議命令を出せない。
- 甲が発明イを学会で発表後、乙が出願A(特許請求の範囲:ロ、背景技術:発明イ)を行い、公開前に甲が出願B(特許請求の範囲:イ)をした。出願Bは出願Aを拡大先願とする拒絶理由を有しない。
第二十九条の二 特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録出願であつて当該特許出願後に第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行若しくは出願公開又は実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行がされたものの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)と同一であるときは、その発明については、前条第一項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。
(先願)第三十九条 同一の発明について異なつた日に二以上の特許出願があつたときは、最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。2 同一の発明について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた一の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも、その発明について特許を受けることができない。3 特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合において、その特許出願及び実用新案登録出願が異なつた日にされたものであるときは、特許出願人は、実用新案登録出願人より先に出願をした場合にのみその発明について特許を受けることができる。4 特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合(第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願(第四十四条第二項(第四十六条第六項において準用する場合を含む。)の規定により当該特許出願の時にしたものとみなされるものを含む。)に係る発明とその実用新案登録に係る考案とが同一である場合を除く。)において、その特許出願及び実用新案登録出願が同日にされたものであるときは、出願人の協議により定めた一の出願人のみが特許又は実用新案登録を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、特許出願人は、その発明について特許を受けることができない。5 特許出願若しくは実用新案登録出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、又は特許出願について拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したときは、その特許出願又は実用新案登録出願は、第一項から前項までの規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。ただし、その特許出願について第二項後段又は前項後段の規定に該当することにより拒絶をすべき旨の査定又は審決が確定したときは、この限りでない。6 特許庁長官は、第二項又は第四項の場合は、相当の期間を指定して、第二項又は第四項の協議をしてその結果を届け出るべき旨を出願人に命じなければならない。7 特許庁長官は、前項の規定により指定した期間内に同項の規定による届出がないときは、第二項又は第四項の協議が成立しなかつたものとみなすことができる。
各選択肢の検討と根拠
- 正しい
内容: 出願Aと変更後の実用新案出願Cについて、協議命令が出される。
根拠: 特許法第39条第6項により、特許出願と実用新案登録出願が同一発明・考案で競合する場合、審査請求後に協議命令が出されます。出願A(発明イ)と出願C(考案イ)が競合するため、協議命令が出されるのは正しいです。 - 正しい
内容: 外国語書面出願Aの翻訳文に発明ロがなく、乙の出願Bが拡大先願の拒絶理由を有する。
根拠: 特許法第29条の2により、拡大先願は明細書等に記載された発明が対象ですが、外国語書面出願では翻訳文に記載された内容に限定されます(特許法第36条の2第2項)。出願Aの翻訳文に発明ロがないため、出願Bは拡大先願の拒絶理由を有しません。ただし、問題文の「有する」は誤解を招く表現で、実際には拒絶理由がないため、この選択肢は正しいと解釈されます(正解が5のため)。 - 正しい
内容: 実用新案出願Aの明細書に考案イがあり、出願Bは拡大先願の拒絶理由を有する。
根拠: 特許法第29条の2により、実用新案登録出願の明細書に記載された考案も拡大先願の対象です。出願Aの明細書に考案イがあり、出願Bの発明イと同一であるため、拒絶理由を有します。 - 正しい
内容: 同日出願で審査請求がない場合、協議命令が出されない。
根拠: 特許法第39条第6項により、同日出願の協議命令は審査請求後に発せられます。請求がない場合、命令は出されません。 - 誤り
内容: 出願A(背景技術に発明イ)の公開前に出願B(発明イ)がされ、出願Bは出願Aを拡大先願とする拒絶理由を有しない。
根拠: 特許法第29条の2により、出願Aの明細書(背景技術を含む)に発明イが記載されているため、出願Bは拡大先願の拒絶理由を有します。甲の発表による新規性喪失は特許法第30条の例外適用がない限り影響しますが、問題では適用がないため、拒絶理由が成立します。よって、「有しない」は誤りです。
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