ServiceNowの25件のプレスリリースから読み解く、AI時代のエンタープライズプラットフォーム戦略
導入
正月の9連休も残すところ半日となりました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
さて、以前にServiceNowのM&A事例のプレスリリースを概観し、今後のPlatformの拡張性や方向感を考えていく投稿をしたのですが、わりと評判が良かったので続編を出します。
参考:ServiceNowの戦略的M&Aと投資エコシステム:2013年から2024年までの25件の事例
2024年10月から12月までのServiceNowが発行したプレスリリースを概観することで、「ServiceNowが具体どのようなActionをとっているのか」の現状整理したいと思い、この投稿をしました。
今少しお付き合いいただければ幸いです。
まず数の整理
2024年の10月-12月のQuorterのリリースは25件でした。
同7月-9月のQuorterのリリースは16件、
同4月-6月のQuorterのリリースは27件、
同1月-3月のQuorterのリリースは21件、
と考えるとリリースの数や外部発信としては意欲高いのかなと思います。
期間 | リリース件数 |
---|---|
2024年 1月-3月 | 21件 |
2024年 4月-6月 | 27件 |
2024年 7月-9月 | 16件 |
2024年 10月-12月 | 25件 |
2024年 合計 | 89件 |
数の比較(2):競合サービス比較
2024年のSalesforceのプレスリリースは38件、SAPのプレスリリースは61件と考えても、
やはり数的には多いなと考えます。成長の勢いを感じますね!
参考:
一覧
さて、2024年 10月-12月のリリース一覧を見ていきます。
リリースを時系列順に並べ、要求された分類に従って表形式にまとめました:
リリースの傾向は?
本Quorterのプレスリリースの傾向を分析しました。(analysis by Claude.ai)
- AI関連の発表が圧倒的に多く、特にMicrosoft、AWS、Nvidia、Databricksなど大手テクノロジー企業とのAI戦略提携が集中しています。これは、ServiceNowがAIテクノロジーを自社プラットフォームに積極的に組み込もうとしている姿勢を示しています。
- 外部評価において、ITSMなど従来の強み分野に加えて、タスク自動化やS2P(Source to Pay)など新領域でもリーダーポジションを獲得しています。特にIDC MarketScapeでのSaaS/クラウド支出オーケストレーションでのリーダー選出は、同社の事業領域の拡大を示唆しています。
- インドの労働市場に関する調査発表や英国事業への15億ドル投資など、グローバル展開の強化を示す動きが目立ちます。特にAIによる雇用創出効果(インドで273万人の技術職創出)を強調している点が特徴的です。
- 人事面では、アミット・ザベリー氏の社長、CPO、COO就任という重要な人事を発表。これは同社の製品開発とオペレーションの統合強化を意図した動きと見られます。
- パートナーシップ戦略において、従来のITベンダーだけでなく、ASDA(小売)、ピアソン(教育)、Five9(コンタクトセンター)など、様々な業種との協業を進めており、業界を超えた展開を図っています。
- 財務面では、第3四半期の業績発表を予定通り行い、その後の戦略発表や投資計画の公表につながっており、順調な業績を背景とした積極的な事業展開が見て取れます。
- デジタルワークフローの領域を超えて、OT(運用技術)資産の可視性強化のためのMission Secure買収など、新たな領域への展開も進めています。
予測:今後どうなっていくのか
現状を踏まえ、今後のServiceNowの発展方向性を予測しました。