IoT技術メモ⑤
学習要領
- 光センサの仕組み
- ひずみセンサ、ひずみゲージ
- 圧力センサ、金属製ほかに半導体製造技術が用いられる
- 加速度センサ、ジャイロセンサ、合わせてトンネル内のカーナビなどに
- GPS
- 超音波センサ
- 磁気センサ
- 代表的なセンサの構成例、汎用センサ部とインテリジェント化センサ部
- 画像センサ、撮像素子、光電変換素子
- MEMS、機械構造体を所有する
光センサー(Photosensor)は半導体素子であり、光を電気エネルギ(電流)に変換して検知するセンサーで受光素子ともいわれる光検出器(Photodetector)である。受光素子と記したが実際には、光を投射する投光部と光を受光する受光部から構成される装置が主であり、反射光(または透過光)の光強度を検出して情報を認識する装置である。
光センサーには次のような使いやすくすぐれた特徴がある。そのためあらゆるところに応用されており、現代生活では欠かせない装置となっている。
ひずみセンサ、ひずみゲージ
ひずみ=材料が伸びたり縮んだりする変形量
ひずみとは、材料に加わる外力に比例して材料が伸びたり縮んだりする変形の量のことで、このひずみを電気信号として検出するセンサがひずみゲージです。自動車、航空機、鉄道、船舶など各種の輸送機器や、超高層ビル、橋梁、発電設備などの土木建築構造物など、様々な大きさ、形状、材質の構造物が存在します。これらの構造物の強度を知る上での目安となる「応力」の測定は、過酷な条件で使用される機器、構造物の十分な強度や安全性の確保の面で欠くことができません。
斬新なデザインを実現したり軽量化をはかったり最適な材料を選択することと、強度や安全性の確保を両立させるための最適設計の追求のためには、応力値の把握は不可欠です。近年ではコンピュータによる応力解析の手法が進み、設計の分野でも導入が促進されていますが、ひずみゲージを用いた実験的応力計測は、現在もなお最も確実かつ実用的な手段として広く実施されています。
原理
- 金属は変形すると電気抵抗が変わり、この電気抵抗変化を利用したのがひずみゲージ
- ひずみ量を知りたい被測定物にひずみゲージを接着し、ひずみゲージの抵抗変化を検出し、電圧変化に変換して増幅
圧力センサ
圧力センサとは気体や液体の圧力をダイヤフラム(ステンレスダイヤフラム、シリコンダイヤフラムなど)を介して、感圧素子で計測し、電気信号に変換し出力する機器です。
原理
- 半導体ピエゾ抵抗拡散圧力センサは、ダイヤフラムの表面に半導体ひずみゲージを形成していて、外部からの力(圧力)によってダイヤフラムが変形して発生するピエゾ抵抗効果による電気抵抗の変化を電気信号に変換しています。
- 静電容量形圧力センサは、ガラスの固定極とシリコンの可動極を対向させてコンデンサを形成、外部からの力(圧力)によって可動極が変形して発生する静電容量の変化を電気信号に変換しています。
加速度センサ、ジャイロセンサ、合わせてトンネル内のカーナビなどに
加速度センサーは文字通り、1秒における速度変化(加速度)を測定するセンサーのことです。
測定するものの中には重力加速度も含まれるため、人の動きや振動、衝撃まで検知できます。3軸方向(X軸・Y軸・Z軸)に適応するセンサーであれば水平状態を検出でき、冒頭で紹介したようにカメラの横方向による「手ぶれ補正」などにも加速度センサーの機能が応用されているのです。加速度センサーを用いる家電製品では、スマホやタブレット、ゲーム機のコントローラー、パソコンのHDDなどがあります。
ジャイロセンサーとは、基準軸に対して1秒間に角度が何度変化しているかを検知するセンサーのことです。
物体の回転運動を知ることができるため、加速度センサーでは検知できない「回転の動き」を測定することが可能。スマホやタブレッドなどで画面を傾けると、自動で見やすい方向に位置が切り替わるのも、ジャイロセンサーの機能が応用されているからなんです。
実はジャイロセンサーはつい最近登場した技術というわけではなく、19世紀頃から人工衛星や飛行機などに用いられていました。近年ではナノレベルで部品の小型化が進み、先にも述べたスマホやタブレット、カーナビ、腕時計などへ搭載されるようになっています。また、ジャイロセンサーは加速度センサーと一緒に搭載されていることが多く、加速度を検出する3軸と角速度を検出する3軸の合計「6軸センサー」が主流となっています。
GPS
人口衛星によって地上の現在位置を特定するものを衛星測位システムと呼ぶが、その中でも地球すべてを測位可能なものをGNSSと呼ぶ。
広く周知されているGPSはアメリカが開発したシステムであり、GNSSのひとつである。他にロシアのGLONASS、EUのGalileo、中国の北斗、日本の「みちびき」(準天頂衛星システム:QZSS)などがある。
超音波センサ
超音波式センサとは、その名のとおり超音波を使用して距離を測定するセンサです。
センサヘッドから超音波を発信し、対象物から反射してくる超音波を再度センサヘッドで受信します。超音波式センサは、発信から受信までの「時間」を計測することで対象物までの距離を測定しています。
センサヘッドから超音波を発信し、対象物から反射してくる超音波を再度センサヘッドで受信します。超音波式センサは、発信から受信までの「時間」を計測することで対象物までの距離を測定しています。
光学式センサには投光部と受光部の2つがありますが、超音波式センサは1つの超音波素子が発信と受信の両方を行ないます。反射型の超音波式センサでは、1つの振動子が発信と受信を交互に行なうので、センサの小型化が可能になりました。
磁気センサ
センサーとは、キャッチした情報を「電子信号」に変換するために生まれてきた機械(装置)です。いろんなセンサーがある中で、磁気センサーは「“磁石の見えざる力”を検知する」センサーです(憶えているかな?)
そんな磁石と仲良しな磁気センサーですが、実は他のセンサーにはない、ちょっと変わった特徴が2つあるんです。それは・・・
1)色々なモノを透過することができる
2)磁石の力の“向き”を利用できる
ということ。
2)磁石の力の“向き”を利用できる
ということ。
代表的なセンサの構成例、汎用センサ部とインテリジェント化センサ部
汎用センサはワークや検出箇所が小さい。
インテリジェントセンサは、検出・補正を行ってくれる。
画像センサ、撮像素子、光電変換素子
イメージセンサ(イメージセンサー)とは、対象物から発した光を、光学系を通してイメージセンサの受光面に結像させ、その像の光による明暗を電荷の量に光電変換し、それを読み出して電気信号に変換する撮像素子のこと。
イメージセンサには、半導体の固体撮像素子や真空管である撮像管がある。
※主流の固体撮像素子には、大別してCCD1)イメージセンサとCMOS2)イメージセンサがあり、光検出(光電変換)の原理自体は概ね同じであるが、光電変換した電荷の読み出し方式が異なる。構造的には、センサ(受光素子)を線状に配置した一次元イメージセンサ3)と、平面状に配置した二次元イメージセンサ4)がある。
特殊なイメージセンサとしては、(量子型、熱型)赤外線イメージセンサや(間接変換型、直接変換型)X線イメージセンサがある。
- CCD:Charge-Coupled Device
- CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductor
- 一次元イメージセンサ:線状の像を光電変換することから、二次元像である被写体を読み取るには、イメージセンサを光学系などで相対的に移動(スキャン)させ、被写体全体を読み取る。ファクシミリや複写機、イメージスキャナなどで使われる。
- 二次元イメージセンサ:光学系を通して二次元像を平面状に配置されたセンサ面に結像させ、読み出す。ビデオカメラやデジタルカメラなどで使われる。
MEMS、機械構造体を所有する
MEMSは、デジタル機器の頭脳ともいえるLSI(大規模集積回路)が処理した内容を機械動作部分へとつなぐ、もしくは物理的な動きや量を測ってLSIに伝える役割を担っており、「動く半導体」のようなものです。さらに、MEMSはマイクロメートル(1mの100万分の1)オーダーの微細加工により形成された超小型デバイスであるため、複雑で高度な機械的役割を果たしながらも、その消費電力は僅かで、多くのデジタル機器の小型化や動作時間の延長に大きく貢献しています。その特長を生かした用途の一つがスマートフォンと言えるのです。
- 日本では、MEMSを「マイクロマシン」と呼ぶことがありますが、「マイクロマシン」は可動部品の機械構造と電子回路を持つ微細機械とされていて、「MEMS」という場合は、機械・電子・光・化学などの多様な機能を集積化した微細デバイス全般を言うようになっています。
- 一般の半導体素子との違いは構造が立体的であり、可動部を有するという点です。しかし、まだMEMSの定義はあいまいな部分があり、可動構造がないDNAチップなどもMEMSと呼ばれています。
- MEMSの大きさは、一般には全長がmmオーダー以下で、その部品はμmオーダーが普通です。