IoT技術メモ③
学習要領
- 過学習
- ストリーミング処理、CEP
- Chainerの開発元
- IoTプラットフォームの位置付け
- IoTプラットフォームの機能スタック
- 電波の特性、周波数が高いと直進性強、距離の2乗に比例して減衰
- 免許不要の無線局、技適の有無
- 無線方式、RFID~数m、Bluetooth~10m、無線LAN~100m
- 無線LANの規格、802.11bの性能
- 隠れ端末問題、RTS/CTS
過学習とは、手元のデータにピッタリ合い、未知のデータ対して全く合わないモデルを作成すること。バイアス(=予測結果と実測値の差)を小さく調整しすぎることで、バリアンス(=予測結果のばらつき)も大きくなってしまう。
ストリーミング処理、CEP
ストリームデータとは実世界に存在する大量データ(RFID,ログ,位置情報...)であり、それを逐次処理することがストリーミング処理です。あらかじめ登録したシナリオに従って集計・分析に必要なデータを抽出してデータ処理を行います。
RDBに格納したのちにしかるべきタイミングで一括処理を行うストック型の処理ではタイムラグが生じますが、ストリームではイベント発生時に即時的にシナリオを通して処理を行います。こうした複合的なイベント処理を実行するためのプラットフォームをCEP基盤(Complex Event Processing)と呼びます。
Chainerの開発元
機械学習ライブラリchainerの開発元は日本のPreffered Networks社です。
開発はPytorchに統合される様子です。
IoTプラットフォームの位置付け
IoTサービスに求められるものは、迅速な開発とスケーラビリティとサービス運用性とセキュリティである。それらを解決する手段として期待されるのがIoTプラットフォームである。
IoTプラットフォームのテクノロジー全体像は下記
IoTプラットフォームの技術要素は下記
IoTプラットフォームは二種類存在する。
- デバイスの接続管理とデータの収集機能を提供する「コネクティビティサービス」
- IoTサービスを実現するためのデータ管理、分析エンジン、各種APIを提供する「AEP」
コネクティビティサービスは主として通信レイヤーで、エンドポイントによる大規模接続に最適な構成管理と運用環境を提供する。通信方式は3G,4G,IoTむけのLPWA(Lora,SigFox,Ingenu)Lora,SigFox,Ingenu)など。
他方AEPは様々なデータが通信プロトコル(MQTT,SoAP..)で向かってくるものの解析、分析、ダッシュボード、API機能などである。
プラットフォームの動向は下記
IoTプラットフォームの機能スタック
日立製作所ではIoTプラットフォームを4つのスタックに分割している。
Edge,Core,Analytics,Studio
また、IDCは5つのサービススタックに分割して説明している。
- デバイス
- コネクティビティ
- プラットフォーム
- アナリティクス
- アプリケーション
そのうちプラットフォームに期待されるのは、IoTを構成するモノのアクティベーションや認証、ネットワークでの通信課金管理や国際ローミング管理、アプリケーション開発環境提供や既存業務アプリケーション連携などを実現することである。
- 電波とは電磁波の一つで、電波法第2条の1で、「300万メガヘルツ(3THz)以下の周波数の電磁波」と定義されています。
- 電場の特性として、媒体がなくとも伝わり、自由空間の速度は1秒間に約30万kmで光と同じです。
- 通り道に物質がある場合は、通り抜けたり、反射したり、回折したりします。
- 電波は、振動方向が進行方向と直行する横波です。また、電解と磁界の振動方向も直行します。
- 電波は波長が短くなるほど光の性質に近づき直線性を増すので、周波数の低い電波の方が回折性が高く、障害物が多い環境では届きやすい性質をもっています。
電波の伝わる仕組み
① 送信:アンテナに高周波電流が流れると、周囲に磁界が発生する。
② 発生した磁界の変化を妨げる方向に電界が発生する。
③ その電界の変化を妨げる方向に磁界が発生する。
④ さらに発生した磁界の変化を妨げる方向に電界が発生し、これを繰り返す。
⑤ 受信:磁界の中にアンテナを置くと交流電圧が生じる。
電力密度PDは、電力Pを、通信距離dを半径とした球の表面積4πd2で割った値になります。つまり、電波は「距離の2乗に比例して減衰する」ということになります。例えば、距離が2倍になると面積は4倍になるので、電波の電力密度は1/4になります。
低い周波数ほど遠くに届きます。
免許不要の無線局、技適の有無
無線局を開局するためには、総務大臣の免許又は登録が必要です。
しかし、発射する電波が極めて弱い無線局や、一定の条件の無線設備だけを使用し、無線局の目的、運用が特定されている無線局については、無線局の免許及び登録は要しないとされています。
これらの免許及び登録を要しない無線局は、次のとおりです。
- 発射する電波が著しく微弱な無線局
- 市民ラジオの無線局
- 小電力の特定の用途に使用する無線局
技適マーク
技適マークは電波法令で定めている技術基準に適合している無線機であることを証明するマークで、個々の無線機に付けられています。
※無線機の免許申請をする際に、技適マークが付いていれば、手続きが大幅に簡略化されます。
また、特定小電力のトランシーバー、家庭で使用する無線LAN、コードレス電話などは、技適マークが付いていれば、無線局の免許を受けないで使用できます。
※無線機の免許申請をする際に、技適マークが付いていれば、手続きが大幅に簡略化されます。
また、特定小電力のトランシーバー、家庭で使用する無線LAN、コードレス電話などは、技適マークが付いていれば、無線局の免許を受けないで使用できます。
無線方式、RFID~数m、Bluetooth~10m、無線LAN~100m
無線方式はネットワーク導入の際に検討する最初の項目である。導入ガイドラインは下記である。
- 無線方式の選択
- 無線デバイスの選択/仕様確認/動作確認
- ネットワークトポロジーの検討
- ハードウェアの検討
- ソフトウェアの検討
- 評価の検討
具体的な検討項目は下記になります。
通信頻度、消費電力、通信環境、通信距離、通信相手、通信プロトコル、スループット
そして仕様と現行製品の一覧表は下記です。
ざっくりした概念のマッピングです。
そして、仕様特徴表です。
(1)電子タグ
・消費電力は、0Wと電力がかからない。
・接続数は、タグのみのID等コードリーダーであり1個のみである。
(2)Bluetooth
・伝送スピードは、1Mbpsとある程度の速さを有している。
・消費電力も、120mWとほぼ中間となっている。
・接続数は、最大7個と少ない。
(3)無線LAN
・伝送スピードは、11、54Mbpsと高速である。
・消費電力は、3Wと一番大きい。
・接続数は、最大32個と多少少ない。
無線LANの規格、802.11bの性能
現在ではIEEE 802.11諸規格が整備されており、その技術規格に準拠した機器で構成されるネットワークの事を一般的に「無線LAN」と呼んでいます。IEEE 802.11は時代に合わせて規格の追加や修正が行なわれており、近年では主に高速化が進められています。
802.11b
1997年にIEEE 802.11規格が完成した後、2.4GHz帯を使用した高速通信の実現を目的として11bが規格化されました。オリジナルのIEEE 802.11規格をベースにCCK変調方式を採用し、伝送速度はIEEE 802.11規格の1~2Mbpsから11Mbpsに飛躍しました。この伝送速度向上により、家庭での利用が広まり、無線LANが普及しました。
1997年にIEEE 802.11規格が完成した後、2.4GHz帯を使用した高速通信の実現を目的として11bが規格化されました。オリジナルのIEEE 802.11規格をベースにCCK変調方式を採用し、伝送速度はIEEE 802.11規格の1~2Mbpsから11Mbpsに飛躍しました。この伝送速度向上により、家庭での利用が広まり、無線LANが普及しました。
1.変調信号の多値化
- IEEE802.11無線LANでは、電波にデータを乗せることで無線通信を実現しています。この電波にデータを載せることを「変調」と言い、複数ある変調方式の中でも「QAM」という方式を使用しています。従来のIEEE802.11nでは一度に6bitのデータを送信することができる「64QAM」に対応していましたが、IEEE802.11acではより高密度な「256QAM」まで引き上げられています。これによって一度に8bitのデータを送信することができるようになり、1.3倍の効率化を実現しています。
2.チャンネル帯域の拡大
- 無線LANでは、使用可能な周波数の範囲を「チャンネル」と呼ばれる単位に区切り、それぞれのチャンネルを使い分けています。各チャンネルに割り当てられる幅が広くなれば、一度に流せるデータの量も大きくすることができ、より高速な通信を実現することができます。IEEE802.11aおよびgの旧規格では20MHz幅で使用していましたが、IEEE802.11nでは20MHzのチャンネルを2個束ねて利用することが許可され、40MHzに拡張されました。今回のIEEE802.11acでは80MHz対応を必須とし、さらにオプションとして160MHzとしての利用も認められています。※
3.通信モード
無線LANでは子機同士の無線通信において、大きく2つのモードが存在します。
アドホックモードとインフラストラクチャモードです。アドホックモードはアクセスポイント(以降AP)と呼ばれる親機(基地局)は存在せず、子機(端末)同士が直接通信するモードです。最近では携帯用ゲーム機同士での通信にも使用されています。
アドホックモードとインフラストラクチャモードです。アドホックモードはアクセスポイント(以降AP)と呼ばれる親機(基地局)は存在せず、子機(端末)同士が直接通信するモードです。最近では携帯用ゲーム機同士での通信にも使用されています。
4.セキュリティ
無線LAN機器及び無線LANを含むネットワークが持つセキュリティ機能には大きく「データの暗号化」と「アクセス制御」の二種類があり、それぞれ下記のような方式があります。
隠れ端末問題、RTS/CTS
無線LANには有名な「隠れ端末問題」というものが存在します。これは、ランダム・アクセスで無線通信しようとするネットワークでは必ず生じる問題です。データの競合と衝突の問題です。
「隠れ端末問題」を解決する方法が、RTS/CTSです。
- まず、ステーションAがデータを送信する前に、RTSというフレームをアクセスポイントに送ります。これにはこれから送るデータの長さ情報が入ってます。
- 次に、それを受信したアクセスポイントは、CTSというフレームをネットワーク内の全員に送ります。これにはステーションAがこれから送るデータの長さ情報が入ってます。
- このCTSフレームを受信したステーションBは、これから他のステーションが指定されたデータ長の送信を開始するとわかります。その期間は、ステーションBは送信をしないようにすることで、この「隠れ端末問題」を解決できました。